寺内町というまち

*スタッフ日常2019/1/25

年も改まって早やひと月近くが過ぎますが、皆さんは正月をどのように過ごされたでしょうか。
生まれが和歌山県の私はここ数年、正月を親の家にて過ごしております。
なんだかんだ、向こうは信州に比べて気温が高くて冬は過ごしやすいとも思いましたが、
夏は夏で信州は過ごしやすいところだなぁと思うに違いない、
リフォーム設計担当の高松です、こんにちは。
さて、いつも紀州へ帰省するだけでは面白くない(?)ということで、
ここぞとばかりに関西エリアのまちをあちこち訪ね歩いています。
今年は二か所の寺内町を探訪しました。
大阪府富田林市と、奈良県橿原市の今井町。いづれも国の重要伝統的建造物群保存地区、
いわゆる重伝建に指定されている、歴史ある町並みが保全地区です。
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いまでこそ町自体が拡大して中心地が別の場所へ移動していますが、
江戸時代などはこうした町並みが地域経済社会の中心地となり、
各地から人と物資を集めて大いに賑わいを見せていました。
周囲に環濠をめぐらし、富田林の寺内町の場合は河岸段丘を利用した高低差もあって、
町の内外の境はまるでお城の石垣のような印象も。
狭い路地が縦横に行き交い、時代を感じさせる町家が軒を連ねている様子は
まるでタイムスリップでもしたかのよう。
しかし、こうした歴史的な風情ある町並みは現代の自動車社会には適合しない面もあり、
とくに若い人たちにとっては必ずしも暮らしやすい町というわけではなさそうです。
たしかに自動車どころかバイクで通行するのがやっとというほどの狭小な路地もあるほどですし、
富田林の寺内町では近年起きた火災では消防車が現場の前まで到達できないといったこともあったそう。
観光でそぞろ歩きする身としては素敵に見えるまちでも、暮らしてみるといろいろ苦労も多そうです。
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それでも、ふたつの町ではこの歴史的風景を保全しつつ、
次代に継承して町を元気にして行きたいと考え実践している地域の方々がいらっしゃいます。
古い町家や土蔵をリノベーションしてお店を開いたりするのは好い事例です。
何より観光地としてPRしながらも、決してテーマパークのような観光地的な俗化はさせず、
地域住民の暮らしを何より大切に守っていることが、
ぎゃくにまち歩きをしていても雰囲気の良さとして伝わってきている気がします。
どんな町でも、まずはそこに暮らす住民にとって住み心地のよい町であるかどうかということ。
住み心地の観点は幾つもあるので、単純な便利不便の話ではない、
住んでいて楽しくなるようなまちづくりというものを、
自分もこの信州という土地で考えて行きたいなと思わせてもらった、
正月休みの関西の寺内町探訪でした。